そもそも「冬眠」=完全に眠るわけではない
屋外飼育のメダカの「冬眠」は、クマのように深く眠るというより、低水温で動きと代謝が落ちる“越冬モード”です。寒い間は底の方でじっとしていることが多く、餌もほとんど必要としません。春が近づくと少しずつ動きが戻りますが、ここで焦って起こすと体力を削り、病気の原因になりやすいので注意が必要です。
起こす最大の基準は「水温」と「安定」
起こすタイミングはカレンダーではなく水温で判断するのが安全です。水温計を使い、日中の水温が12℃前後を超える日が増え、さらに夜間〜早朝の最低水温が8〜10℃を大きく下回らない状態が「1週間ほど続く」ことを目安にしましょう。春先は暖かい日があっても翌日に冷え込むことが多いので、「一瞬あたたかい」ではなく「安定してきたか」を見るのがポイントです。
容器が小さいほど慎重に
同じ場所でも、容器の大きさで水温変化は大きく変わります。バケツや小鉢、発泡箱など水量が少ない容器ほど昼夜の温度差が出やすいため、起こす判断は特に慎重に行いましょう。大きめの睡蓮鉢やプラ舟の方が水温は安定しやすく、越冬明けのトラブルも起きにくい傾向があります。
「春のサイン」を合わせてチェックする
水温以外にも、季節の変化はヒントになります。たとえば
- 氷が張らなくなる
- 日照時間が伸びる
- 水面や容器の壁に薄いコケ(バイオフィルム)が増える
といった変化が見られる頃は、環境が春に向かっているサインです。さらにメダカ自身も、底で固まる時間が減り、ゆっくり泳ぐ・水面付近に上がる回数が増えるなどの行動変化が出てきます。これらがそろうと「起きる準備ができてきた」と判断しやすくなります。

寒の戻りが怖い時期は「焦らない」が正解
最も失敗が多いのが、春先の寒の戻りです。気温や水温が乱高下すると、メダカは体力を消耗し、白点病などのトラブルに傾きやすくなります。目安の水温に届いていても、天気予報で冷え込みが続きそうなら、数日〜1週間ほど様子を見る方が安全です。
起こす前の「やっていいこと」「避けること」
起こす前の手入れは“軽く”が基本です。枯れ葉や沈殿したゴミは、腐って水質を悪くするのでそっと取り除くのはOK。足し水をする場合は、カルキ抜きした水を同じくらいの水温で少量ずつ足します。
一方で、いきなり大換水や底砂の大掃除はNG。水質が急変し、バクテリアのバランスも崩れやすく、越冬明けの弱った体には負担になります。水草が傷んでいる場合は、全部抜くのではなく軽く間引く程度に留め、フィルターやエアレーションを使っているなら故障していないかだけ確認しておきましょう。
餌は「12〜15℃で安定してから少量」
餌やりは早すぎると水を汚しやすく、消化不良の原因にもなります。水温が12〜15℃で安定してから、粒の小さい消化の良い餌を少量だけ試してください。食べ残しが出るようならすぐ中止し、温度がもっと安定してから再チャレンジ。食べられているのを確認できたら、数日かけて少しずつ量と回数を増やすのが安全です。
まとめ:春の立ち上げは「少しずつ」が最強
越冬明けは「水温が上がったらすぐ起こす」ではなく、水温の安定・春のサイン・メダカの動きを合わせて判断します。そして準備も餌も掃除も、合言葉は「少しずつ」。焦らず段階的に整えていけば、初心者でも失敗しにくく、元気に春を迎えられます。
