※あくまで屋外飼育を前提とした話です。あと、豪雪地帯、冬にマイナスの気温近くになる地域を想定しています。
これからいよいよ本格的な秋の到来という頃。冬に備えてやるべきことはたくさんあります。多くの方が実際に寒くなり、あるいは実際に暖房に火をともした頃に「あ!メダカも冬の準備をしなきゃ!」とおもうわけですが、時すでに遅しなことが多いのです。
秋になったらまずやってほしいのが「冬用の容器に引っ越す」というものでした。詳細は以下の記事でご確認下さい。
さて、次は、その容器に入れるメダカを選びます。春から秋の活動期のメダカは1−2リットルに1匹が鉄則です。つまり40リットルの容器なら20-40匹。ところが、冬になるとそれでは密すぎます。冬になると、5リットル(最低でも3リットル)に1匹が目安になります。つまり40リットルの容器でも8−10匹程度でもういっぱいということになるのです。

どの程度の密度が望ましいか?
おおよその目安は以下のとおりです。密度が低いに越したことはありませんが、容器の置く場所や数を考えるとそんなに増やすのは現実的ではないでしょう。なので、1匹でも多く残したい、、、と思うかもしれませんが、以下のような目安で残しましょう。
ぬくもりめだかは、冬はエアーレーションをしないので、安全寄りの40リットルに8-10匹程度となるように選別します。
- 安全寄り(無通気/結氷あり得る)
- 1匹/4–5L(40Lに8–10匹程度)
- 標準(弱めのエアレーション・結氷は表面のみ)
- 1匹/2–3L(40Lに13–20匹)
- 上級者向け(通気しっかり・濾過成熟・水深30–50cm)
- 1匹/1–1.5L(40Lに25–40匹)
なぜ、過密はだめなのか?
よくある勘違いで、「冬はメダカが密(数が多い)ほうが、水温が高くなるので良い」というのがあります。ぬくもりめだかも、近所のおじさんが見学にいらしたときにそのように指摘されたことがありました。
しかし、魚の体温等で水温が高くなるということは基本的にはありえません。
- 魚が多いほど酸素需要が合計で増え、多いと酸欠状態になります。
- 結氷やフタでガス交換が止まると、酸素↓/二酸化炭素↑でpHも下がり、さらにストレス増になります。
- 底床の有機物が多いと嫌気発酵で硫化水素などの有害ガスが発生しやすくなります。
これらの理由から(他にも細かい理由はありますが)過密飼育はNGです。餌もほぼ食べない、水換えもほぼできない、代謝の落ちている冬だからこそ、このような夏だったら耐えうる有機物の上昇、ストレスの増加が、冬はメダカたちにとって致命的なります。
冬を越せるメダカの選別
さて、ここからが今日の本題です。たとえば、今40リットルの水槽に40匹飼っているとして、それを8匹程度にまで減らさないといけません。その選別ってどうすればいいのでしょうか?
結論からいえば、種親を選ぶ際の選別とほとんど同じです。種親を選ぶ際の選別は以下なことはご存知かと思います。種親選びで最も大切なことは、体型だったり特徴が綺麗に現れているか、ということかと思います。
種親選びの選定のポイント
- 体型が整っている個体
- 曲がりがなく、健康でバランスの良い体型のもの表現が綺麗に現れているもの。
- ヒレがしっかりしている個体
- 裂けや奇形のないもの。
- 泳ぎが安定している個体
- 動きに力強さがあること。
基本的にはこれでいいのですが、冬を越せるメダカには体力が必要です。そのため、種親選びに加えて、さらに体力がありそうか、という視点が大切になります。
冬を越せるかの選別のポイント
- 大きさ・体格
- 小さすぎる稚魚は冬を越せない可能性が高い。夏〜秋にしっかり育った「Mサイズ以上」の個体を残す。
- 体力と餌食いの良さ
- 餌をしっかり食べ、太り気味で蓄えがある個体が有利。
- 病気や寄生虫の兆候がないこと
- 弱い個体は冬場に落ちやすいので、体表や動きに異常のあるものは外す。
- 水温変化に強い個体
- 秋の寒暖差にも耐えているかを観察して見極める。
それぞれを少しだけ詳しく見ていきましょう。
1. 体格・サイズ
- そもそも小さい個体はどうしても冬を越えることは厳しいです。秋までにしっかり育った 成魚〜Mサイズ以上 が理想となります。
- 小さな稚魚は消耗しやすいので、加温したり別管理が必要です。
2. 体力と蓄え
- よく餌を食べて腹に厚みがある個体を優先します。ちょっと太ってる・・・くらいが最適です!痩せ気味のものは寒さで落ちやすいです。
3. 健康状態
- ヒレ裂け、体表の異常(白点・かゆがる行動など)、泳ぎの不安定さがある個体は外します。これは非常に丁寧に見ましょう。
- 仮に、病気を持っているメダカを残すと、冬の間に病気が万円し、全滅の大惨事すら招きかねません。(冬だからといって、病原菌も活動が弱まり、病気が広がらない、なんてことはありません!)
4. 行動・耐性
- これが結構重要です!秋になる温度が下がり始めると、底の方でじっとしてあまり活発に活動しない個体が出てきます。秋の昼夜の寒暖差でも活発に泳ぎ、餌をよく食べる個体は強いです。
- 昼間、あったかくなっているにも関わらず、そこでじっとしていて、動きが鈍すぎる個体は避けましょう。
元気な個体を残して、冬を迎えましょう!選別も冬が来てからではなく、必ず秋のうちからやりましょう!