さて、猛暑が終わり、これから冬がやってきます。ぬくもりめだかのある福井県は豪雪地帯で、毎年1−2mの雪が降ります。連日連夜、マイナスの気温なども続きます。
ぬくもりめだかも、春になり、恐る恐るメダカの水槽を見てみると、大半が冬を越すことができず、落ちていたこともありました。
冬も暖かい地域の場合はあまり気をかけなくてもいいのかもしれませんが、福井県のような本格的な冬の場合は、その準備は必須です。多くの方が部屋に暖房を使うようになった頃から、「冬の準備しなきゃ】斗思うかもしれません。それでは、もう手遅れな事が多いです!
そこで、これからやってくる冬に備えて、やるべきことをこれから記事に書いていこうと思います。これから何本かの記事にわけて(どれくらいの本数になるかは現時点で未定)、書いていきますが、まずは大まかなアウトラインです。
注意
ぬくもりめだかは、あくまで屋外飼育をしています。これから書いていく記事も屋外飼育のポイントになります。屋内飼育をされている方には(おそらく)全くと言ってもいいほど、参考になりませんのでご注意下さい。
まずは秋の終わり、冬の始まり、本格的な冬と3つの季節に分けます。
秋の終わり(昼25℃/夜15℃めやす)
目的:冬に入る前の“体づくり”と環境の安定化。
飼育環境の整え
- 容器の見直し:屋外越冬は水深30–40cm以上(豪雪地は45–60cmあると安心)。体積は1匹あたり10–15L目安に余裕を。
- レイアウト:底土(田砂・大磯薄敷き)や枯れ草・落ち葉(コナラ・ブナなど広葉樹)を数枚/10L入れて隠れ場&緩衝材に。※針葉樹・強い精油系は避ける。
- 植物・藻:アオミドロ以外のコケや付着藻は残す(越冬中の微生物相と酸素の源)。
- ろ過・エア:冬は弱めの通気で十分。スポンジは今のうちに回してバクテリアを馴染ませる。
体づくり(給餌)
- 日中暖かい時間に高消化(小粒・沈下性・小さめ)を1日1回、腹7分目。
15–18℃に下がる日が増えたら2日に1回へ。 - ビタミン補給(ブライン少量や発酵飼料を“たまに”)で肝・腸を整える。
水質・水換え
- 2週間に1回10–20%を同温(±2℃)で正午前後に。濁りや臭いが無ければいじり過ぎない。
個体の選別・分散
- 小さすぎる稚魚(当歳で痩せ個体)、ロングフィンの弱い個体、産卵で消耗した雌、高価・貴重系統は
→ 無加温の屋内(8–15℃・日照10h前後)へ退避 or 容器分散で密度を下げる。
防災の仕込み
- 防風板・すだれ・波板/温室フィルムで風よけ枠を準備。
- フタは半分だけ(換気とガス抜きの隙間を確保)。
- ネットで鳥猫対策。温度計・水温ロガーもセット。
冬の始まり(昼15℃/夜10℃)
目的:代謝を落としつつ“事故を起こさない運用”に切り替え。
運用モード
- 給餌は2–3日に1回、ごく少量(沈下性。食べ残しゼロ)。
水温10–12℃を下回る日が続いたら断食に移行。 - エアは弱め連続運転へ(微細な気泡・水面軽く揺れる程度)。
水質・メンテ
- 水換えは月1回・10%まで。明るい昼に同温水で。基本は足し水のみに切替。
- ゴミ取りは底を軽く吸い出す程度。バクテリア層を壊さない。
保温・遮光
- 側面断熱(発泡シート・段ボール・プチプチ)+上面に落ち葉&フタで放熱を抑える。
- 温室内は直射で日中だけ軽く昇温、夜間は換気口を閉じ、隙間風を止める。
病気予防
- 新規導入は冬はしない。調子を崩したら隔離のうえ0.3%塩浴(短期)を検討。
長期通塩や本水槽通塩は植物・ろ過に負担なので慎重に。
本格的な冬(昼5℃/夜-1℃・大雪)
目的:低温に“静かに耐える”。酸欠・凍結・圧壊を回避。
凍結対策
- 氷は割らない(衝撃で弱る)。
代わりに弱エアを浅場に置いて“呼吸穴(直径10–20cm)”維持、または発泡板の浮き蓋を設置。 - 全面積雪なら上の雪を一部どかして採光(光がゼロだと酸欠化)。
- 容器の水位は満水−2~3cmにし、氷の膨張でフタや枠が歪まない余地を。
酸素・有害ガス
- 連続弱エアでOK。強すぎる水流は体力を削るのでNG。
- フタは少しだけ隙間を確保(CO₂・硫化水素の滞留防止)。
給餌・タッチしない勇気
- 水温10℃未満は基本断食。どうしても与えるなら晴れた正午、1–2粒、反応なければ中止。
- 移動・網入れはしない(低温は回復しにくい)。
雪害・物理リスク
- 積雪で屋根やフタが沈まないかを点検。危なければ支柱追加。
- 強風日後はネットの緩みを確認。倒木・落雪の直撃回避。
屋外における冬の準備まとめ
項目 | 秋の終わり 25/15℃ | 冬の始まり 15/10℃ | 本格的な冬 5/-1℃ |
---|---|---|---|
水深・容器 | 30–40cm(豪雪45–60cm)に増設 | 変更なし | 変更なし/水位は満水−2~3cm |
給餌 | 1日1回→2日に1回 | 2–3日に1回ごく少量 | 基本断食 |
水換え | 2週に1回10–20%(同温・正午) | 月1回10%/基本は足し水 | 月1回10%まで or 足し水 |
エア | 立ち上げ&弱め連続 | 弱め連続 | 弱め連続(呼吸穴維持) |
断熱・フタ | 側面断熱・半フタ・風除け設置 | 隙間風を減らす | 積雪除去で採光、浮き蓋/呼吸穴 |
植物・藻 | 付着藻を残す | 維持 | 維持(触らない) |
掃除 | 軽い底上澄み取り | ごく軽く | 原則しない |
個体管理 | 弱個体・貴重個体は屋内へ | 新規導入しない | 触らない/事故時のみ隔離 |
例外(改良メダカ特有の注意)
- ロングフィン・ダルマ体型・極小個体は寒さに弱め。屋内退避が安全。
- 系統維持の親は越冬で消耗させない(春に即戦力にするため屋内で体力温存がおすすめ)。
- 春先は“エサ再開→水換え増→産卵床投入”をゆっくり段階的に。急な加温・急な大量換水はNG。
さて、これはあくまでアウトラインですので、次週以降、これらを一つずつ詳細に説明していきたいと思います!