上の記事「なぜ弟の和墨は増えるのに、お兄ちゃんは増えないの?」では、遺伝の固定という事象の紹介をしました。
簡単にまとめますと、メダカ(一般魚)には、遺伝の固定という事象がありまして、遺伝から発現する特徴を固定しているメダカと固定していないメダカでは、そこから産まれる子ども、孫、ひ孫、、、と同じ特徴が出るかという差が出てくるということでした。
改良メダカ(特に新種、初だしなどと呼ばれているものたち)を購入する際は、特徴が遺伝的に固定されているか理解したうえで購入する必要がありますね。
とはいっても、新しいメダカ、難しいメダカであればあるほど、遺伝の固定化が進んでいないのが一般的な話です。そこで、どのようにメダカの特徴を遺伝的に固定するのか、そのやり方をまとめてみました。
はい!「メダカの遺伝の固定」について、初心者でもイメージしやすいように、シンプルに説明しますね。
改めて、遺伝の固定ってなに?
メダカを飼っていると、
「この色や模様を増やしたい!」と思うことがありますよね。
でも産まれてくる子供たちは、必ずしも親と同じ姿ではなく、いろいろ混ざって出てきます。
そこで行うのが 遺伝の固定。
これは「狙った特徴が安定して子や孫に受け継がれるようにすること」です。
基本の方法:兄弟交配
- 最初のペアをつくる
気に入った色や模様のオスとメスをかけ合わせます。 - 生まれた子供を育てる
たくさん育てて、その中から「理想に近い子」を選びます。 - 兄弟同士で交配する
選んだ兄弟(兄妹)をかけ合わせます。 - さらに選別 → 交配を繰り返す
毎世代ごとに「特徴がはっきりした子」だけを残し、また交配。
こうしていくと、だんだんと狙った特徴が強まり、安定して出るようになります。
これを「固定した」と言います。
ポイント
- 選別が命!
全部を残さず、狙った特徴の子だけ残す。 - 時間がかかる
固定には数世代(3~5代以上)が必要です。 - 別の血を入れる場合も
体の丈夫さを保つため、時々よそから近い特徴を持つ血を混ぜることもあります。

👉 つまり、「たくさん育てる → 選ぶ →兄弟で交配 → また選ぶ」
この繰り返しが、遺伝を固定する一番シンプルな方法です。シンプルですが、非常に地味で大変です。時間もかかります。
ですが、形質を安定化させている段階で、どんどん自分の理想に近いメダカがたくさん生まれるようになってきます。その過程を楽しむのも、メダカ飼育の一興といえます。